おそらく2025年現在、ばねの構造を持つ板、足場でウエイトリフティングのフォーム練習を行えるのは当ジムぐらいだろうが、だからこそのばね構造の足場(以下ばね板)でフォーム練習を行うことへの効果や起こる現象、仕組みなどを説明できると思うのでしてみたいと思う。
ウエイトリフティングの科学的と言われる技術手法において出てくる用語で「床反力」と言うものがあると思う。
これはつまりは床が押し返す力であるが、もう少し詳しく説明すると、床が押し返してくるということの前提として、床が外力がかかった時に歪んだ後にもとに戻る、または外力がかかった時に歪まないくらいに弾力係数が高い、材料の剛性が高い状態で行うというものがあるからこそ「床反力」という力が発生するということである。
表現的にわかりにくいが、そもそも床に力を加えた時に床の形が変形してしまうつまり凹んでしまえば床反力は生じない、または生じたとしても加えた力よりも床反力は小さくなってしまうのである。
だからこそ本来のウエイトリフティングのプラットフォームは適度な剛性であり弾力や弾力係数を持った素材で作られているのである。
プラットフォームについてはある程度ルールブックにその仕様が定められているが、これが仮に金属でできていた場合、おそらく木でできたプラットフォームよりもバーベル重量を取り扱うことが出来ない可能性がある。
例えば同じ木の素材であっても、堅木と軟木ではやはり取り扱えるバーベル重量は変わってくるであろう。
最も木は湿度や温度、経年年数などで強度や固さが変わったり、または変形したりするものであるので、全く同じ条件でウエイトリフティングを行える訳ではないのだろうが、その辺りの誤差を含めた素材していなのかどうかは不明ではある。ちょっと話が逸れそうなのでこれ以上はやめておくが。
閑話休題。
基本的にはほとんどの場合、その「床反力」や「弾力」を感じることも認識することも困難であることは言うまでもない。
しかし感じられない力の作用によってバーベルを挙げることが出来るのは確かではあるので、その見えない力をしっかり感覚で捉え、自分のフォームに反映できればより良いパフォーマンスができるというものである。
ばね板は、その見えない力、感じにくい作用を明らかに体感できて認識できるようにするための道具である。
つまり、ばね板のばねは床反力をよりわかりやすくしたものだと思ってもらえれば良いだろうか。
ではそのばね板の上で実際にウエイトリフティングの、例えばクリーンを行ってみるとどういうことが起こるのか。
- 行う人のレベルにもよるが、大抵の場合はいつもよりも上手く扱えない可能性が高い
このように上手くいかないケースはなぜ起こるのだろうか。
それは普段から床反力を上手く使えていない可能性が高いからである。
逆に床反力を理解していて普段から上手く使えていれば、いつもよりもバーベルを軽く扱えるであろうということである。
何故ばね板の上で床反力を使うとバーベルが軽くなるかと言えば、いつもの硬めの足場で発生する反力にばねの弾力による反力の力が加わるため、その力はいつもの力にプラスされるためである。
シンプルにばねの力が手伝ってバーベルが軽く挙がるのである。
またちょっと話は逸れるが、昔膝バンテージを巻くときに膝の裏にピンポン玉をこっそり仕込んで試技をするという反則をしていた人がそこそこいたとのこと(昔の選手の方の話)、それは何故かと言えば膝の裏に仕込んだピンポン玉が膝を曲げた時にばねの役割を果たして膝伸展の力を大きくすることが出来るからと言うのであるから、ばねはいかに力を大きくすることが出来るのかは、過去の経験則からも判明しているのである。
ちなみに今の時代はそんなことしたら反則になるが、膝屈伸力を強化するアクセサアリはパワーリフティングには存在していて、例えばギアの大会ではその膝伸展の強力なサポートをするように専用の膝用バンテージがあったり、今の時代はノーギアの大会でも膝サポーターにそんな機能が付いたりしている。
またまた閑話休題。
ばねが力の追加に大きな役割を果たすということを理解した上で、それではばね板でそれを再現して、何がウエイトリフティングに良い影響を与えるのかと言うとことであるがそれは
「スタートからセカンドプルにおいできちんと床反力を生み出すための動きが出来ているかどうか」
その判別が出来るのである。
きちんとしたフォームでセカンドプルで床を蹴ることが出来ているのであれば、ばねをしっかり変形させて(つぶして)、ばねがもとに戻ろうとする力を生み出る。
しかし床をしっかり蹴ることが出来ない、ばねを最大限までつぶせていなければ、ばねが元の形状に戻ろうとする力もそれなりの力になってしまい、バーベルは軽くは上がってこない。
つまりはフォームでしっかり床を最大限に押しつぶすことの動作の是非を、ばねを利用することによって感覚的に、第三者から見れば視覚的にも確認することが出来るということである。
もっと端的に言えば、ばねをちゃんと最大限までつぶしたところからセカンドプルできてる?ってところだろうか。
もしも出来ていなければばね板を利用して、どんな状態であれきちんと床を最大限につぶすための体の使い方の練習が出来ます、ばね故の分かりやすさでフィードバックもしやすい。
最初はばねの弾力を強くして、上手くばねの弾力を使えるようになったら段階的にばねの弾力を弱くしてまた練習して、を繰り返して最終的に通常のプラットフォームで練習をして床をしっかり押しつぶす動作が出来れば、とりあえずは床反力を使えるようになるということだろうか。
そのための練習に適しているのではないかと言ったところであろうか。
ついでにキャッチ時(特にローキャッチ)はスタビライザーやフレキシビリティを向上させ、インナーマッスルのトレーニングにもなる。今回はここまでは触れないが。
ちなみにデメリットもなくはない。
どうしてもバーベルの挙上が軽くなるため、取り扱える重量が増えるような錯覚を起こす。
もちろんそれを防ぐためには通常の床での練習は必ず行う、基本床の重量からばね板で取り扱う重量を決めるなどの工夫でフォローすることが出来るかと思われる。
後はスタビライザやフレキシビリティを鍛えるということは、床が不安定であるため危険性は上がる。
こちらも、例えばバーベルを持つ前にジャンプ練習をしたり、軽重量から行うなどの工夫でフォローすることが出来る。
またまた余談だが、ばね板プラットフォームはジャンプトレーニングと言うことでプライオメトリックトレーニングに活用することもできる。
今回はウエイトリフティングをメインテーマとして扱ったが、普通にフィジカルトレーニングとしてもばね板でのトレーニングは有効であると思われる。
気になりましたら、今のところ当ジムで体験できるのでお試しいただけたらと思う。
(詳細は
桐田プロダクションジムより)
以上。
2025.8.20 新規