ウエイトリフティングのフォーム習得のための初期基準 2025.3.18記
ウエイトリフティングやクイックリフトの習得において、初期の段階での基準の一つとして
「バーベルが軽く上がってきたかどうか」
その感触を指標にして行うフェーズがあるのではと思う。
これは動作におけるフォームを作り上げていく上での「結果」を基準としたものである。
例えば10回行った場合に、すべての感触が同じではないことが初心者の内では大半なので使える指標でもあると言える。
このことを踏まえて教える側として、もうちょっとだけ具体的な言葉で発すると
「バーベルが軽く上がって来るように正しいフォームで動いて」
となったりする。(※正しいフォームとはその人にとって最適なフォームのこと)
「バーベルが軽く上がって来るよう」という結果が出るように「正しいフォーム動いて」と指示しているのである。
しかしこれでうまくできるかというとそうではない。
なぜかと言うと、指導された側は前者の「バーベルが軽く上がって来るように」にだけ意識を持ち、後者の「正しいフォームで動く」という部分が抜け落ちてしまうからである。
これは指導をしていての経験、そして自分が教わる側だった時の経験から、そういう場合が大半だなというところからである。
そしてほとんどの教えられている人が後者の指示ができていないにも関わらずそれができていると思い込んでいる。
たまに、それが出来ていないことに気づく人もいるが、そういう人だけがより早く上達していくように思える。
ウエイトリフティングやクイックリフトで覚えなければならないものは何か、と言われれば「バーベルが軽く上がって来る」ところではなく、「正しいフォーム」という部分である。
これを仮に「正しいフォームで動いてバーベルが軽く上がるようにして」と指示をした場合も、不思議なことに大半の人が「正しいフォームで動いて」という部分を無視して「バーベルが軽く上がるように」というところだけに意識を持って行ってしまう。
つまりどういうことかというと、おそらく「バーベルが軽く上がる」という方がより自分の感覚に近いところで認識しやすいのではないか、というところであろうか。
そしてそればかり意識していると「正しいフォームで動く」が完全欠落して、正しくないフォームでも軽く上がれが良い、または軽く上がる感触が得られなくて上手くいかずに悩む、ということが起こるのではないだろうか。
これは学校で勉強していたころに、似たような経験をしていると思う。
特に算数や数学などはこういうケースが良くあったのではないだろうか。
最初の内は答えだけあっていれば良いけれども、数学というレベルになってくると特に「途中式」「途中のプロセス」を書かないと減点になってりしなかっただろうか。
それと同じである。
計算のプロセスを正しい形で経て結果である答えを出すことが大事であり、まぐれで結果を出せたりすることは重要ではない。
プロセスが違うが故に結果が違ったというのは、まぐれよりはまだ良いという部分はあるのも実は今回の話につながる部分ではある。
これに関しては、ちゃんと正しいフォームで動こうという意思があるし、そちらへの意識がしっかりあるということであり、それで結果が出ないのであればそのプロセスのどこかが違うということで原因や理由を探すことができる。
何よりも最初はプロセスの組み立てで試行錯誤していくことがウエイトリフティングやクイックリフトの最初に行うべきことであるので、それは実は道筋としては正しいのである。
閑話休題。
ほとんどの人は感触だけを頼りにバーベルを上げようとするので、それだけでは上達以前に習得できないという話なのである。
中には感触だけ教えるとできてしまう人もいるけれども、そういう人は稀だし、おそらく動き方に関してはかなりの上級者なのでそういう人はそれでも良いかも知れないけれども、残念ながら大半の人はそうじゃないのでまずは正しいフォームで動くことの方に特に強い意識を持っていく方が大事。
そしてこのことからわかる通り、案外人というのは話を全部は聞いていない、頭に留めていくことができないものである。
だからこそ指導者は同じことを何度も何度も言うけれども、それはなぜかと言えば、ある程度ちゃんとした指導者であれば理由があって同じことを繰り返し言うということである。
本当に言われた通りにできていれば、同じことは言わない。
あるいは何度も同じことを言われていて、それでも全くできないのにある日突然違うことを言われたら、それは内容にもよるけれども、指導者の側がアプローチを変えたなどの何らかの意図があるケースが多いのではないかと思う。
指導者もいろんな人がいるので、角度を変えて教えられる人もいれば、そうしないで同じことをずっと言い続けることで気づいてもらおうとする人もいるから、それが良い悪いという話でもない。
教わる側にもいろんな人がいるからこそ同じことを繰り返し言った方が良い人、アプローチを変えてあげた方が良い人などをちょっと時間をかけて見極めながらやっていくなんてこともやっていますが。
アプローチを変えて、一見上手くいったように思えて同じところで躓く人もいるし、動作習得に関しては割とそういうケースの方が多いような気がするので、結局言い方を変えただけで同じことを言い続けているということも多々あります。
教える側も教えられる側も、お互いに初対面では相手のことが分からないのでその辺りは指導時間を重ねていきお互いのことを知っていきながら、お互いがお互いにあったやり方でやっていけることも大事だと思っています。
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