プライオメトリックトレーニングとは
プライオメトリックトレーニングという言葉を聞いたことがあるかと思います。
クイックリフトのページでも触れた通り、こういうものです。
- 筋肉を伸ばした状態から短時間で収縮させ、大きな力を生み出す(爆発力と呼ばれます)
- その動作を繰り返すことで、その力を鍛えることができる
- 専門用語で「伸張反射」と呼ばれる、筋肉が持つ機能をうまく使えるようにする
- 繰り返すことで、筋肉だけでなく腱を痛めるのを予防できるとも言われています
- 平たく言えば、筋肉に張力をかけ、その張力を利用して力を出力するトレーニング
ひとことで言えば、通常の動きよりも速く動くためのトレーニングです。
なぜ「速く動く」のに大きな力が必要なのか
通常より速く動くためには、大きな力を瞬時に出力する必要があります。
なぜ短い時間で速く動かすのに大きな力が必要なのか。これは物理で習う運動方程式
F = ma
に従います。Fは力の大きさ、mは動かす質量、aは加速度です。
体重、つまりmは基本的に変わりません。ですから、より大きな加速度aを得ようとすれば、それだけ大きな力Fが必要になる、ということです。
加速度とは何か
加速度とは、単位時間あたりに速度がどれだけ変化するかを表すものです。
止まった状態から同じ速さになるまで、2秒かかるのか、それとも0.5秒で済むのか。この差が加速度の差です。
運動方程式に単位時間は表記されていませんが、加速度aの中に含まれています。aの単位は m/s² です(この場合のmは距離を、sは時間(秒)を表します。質量のmとは別物なのでご注意ください)。
なお、加速だけでなく減速も同じことです。動いている状態から急に止まるにも、やはり大きな力が必要になります。
鍛えるのは「筋力」ではなく「使い方」
その加速度a、言い換えれば瞬時に出力する力を増やすには、身体や筋肉が本来持っている特性を生かす必要があります。
つまりプライオメトリックトレーニングは、筋力トレーニング(筋トレ)というよりも、身体や筋肉が持つ特性の使い方を習得するトレーニングなのです。
プライオメトリックトレーニングとは、動きに対する加速度を増加させるためのものである。
具体的にはどういう場面で使われるのか
理屈だけでは分かりにくいと思いますので、実際にどういうシーンで使われているのか、例を挙げてみます。
1.ジャンプをするとき
ゆっくりした足の伸ばしでは、飛ぶことはできません。それはスクワットのような動きになってしまいます。
地面から体を浮かせるには、足を非常に短い時間で伸ばす必要があります。
競技例)バレーボール、バスケットボール
2.スプリントでのスタートダッシュ
スタートの最初の蹴り出しでは、瞬時に床を蹴ることで大きな力を使い、前に出ることができます。原理はジャンプと同じです。
競技例)短距離・中距離・長距離走、ラグビーやフットボール、レスリングなどでのタックル
3.フットワーク
一見関係なさそうに思えますが、瞬時に走り出す、瞬時に止まる、瞬時に方向転換する。こうした動きには、いずれも瞬時に大きな力を出力する必要があります。
走り回りながら細かい動きのコントロールが求められる競技には、この能力が欠かせません。
競技例)サッカー、野球、ボクシング、剣道。何かを追いかけて縦横無尽に止まったり動いたり方向転換したりする競技はすべて
4.腕を使った攻撃(パンチや武器を使った攻撃)
強烈な打撃は、遅い速度では威力が出ません。威力を増すため、また打撃の速度自体を上げるためには、瞬時に腕を伸ばす必要があります。
プライオメトリックトレーニングは下半身の強化ばかりに目が向けられがちですが、こうした上半身に関わる動作でも必要になります。
競技例)ボクシング、空手、剣道、フェンシングなど
5.ウエイトリフティング
下半身を瞬時に動かして大きな力を出し、バーベルを挙上します。
また、頭上のバーベルをキャッチする際には、肘を瞬時に伸ばさなければなりません(ルール上の要件でもあります)。
これらの動作を鍛えるのが、プライオメトリックトレーニングです。
どうやって鍛えるのか
プライオメトリックトレーニングは、いろいろなスポーツ競技に必要なスキルです。
ただ、鍛えるのがなかなか難しく、実際の競技練習の中で習得していくことが多いかと思います。それを実戦以外の場で、その機能だけに特化して鍛えていこうというのがプライオメトリックトレーニングです。
種目としては、次のようなものがあります。
- ジャンプ系のトレーニング種目
- メディシンボールを使った種目
- クイックリフトトレーニング
目的に合わせて種目を選べれば、実戦でそれを応用してパフォーマンスアップにつながります。
上半身を鍛える種目は少なめです
足回りを鍛える種目はそれなりに多いのですが、腕の瞬発力を鍛えられる内容はそう多くありません。
クイックリフト(スナッチ、ジャーク)のほか、ミット打ちやサンドバッグ、シャドー系のトレーニングで鍛えることができます。
パンチなどの打撃については、腕だけでなく下半身の瞬発力との連動も必要になります。そうなると、トレーニング内容は少々複雑になってきます。
うまく組み合わせて、より効果のあるトレーニングができると良いですね。
体験について
クイックリフトトレーニングについては、10年以上指導をしています。
さまざまなことを学びながら、より良い形を常に考えながら行っております。興味がございましたら、ぜひ一度体験してみてください。
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研究・考察の資料
ウエイトリフティング・クイックリフトトレーニングの独自考察・研究も長く続けています。
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