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ウエイトリフティングの練習をしてないのに上手な人とは 2025.3.15記


「強くなるには」全3回・第3回 前回:ウエイトリフティングが強くなるための練習内容


たまにですが、「初めてやらせた割には、とても上手にやってしまう人」というのは実際に存在します。

「どこかでやってた?」「何か他でスポーツをされてましたか?」と質問されるケースが多いのですが……あ、実はこれを書いている私が、それに該当する人です。

もちろんすべての競技においてそうだとは言いませんが、おおよそ驚かれることが多いです。

結論:他で身体能力を身につけている

結論から言うと、「他のところで、必要なフィジカルや身体能力を身につけている」というのが答えです。

だからスポーツ指導者は「何か他でスポーツやってた?」と聞いてくるのです。

でも私は、スポーツをそんなにしっかりやっていないんです。

中学・高校は絵を描いていたり、本を読んでいたり、数学ばかり勉強していたり、パソコンばかりいじっていたり。スポーツからは程遠い生活をしていました。

それでも高校では、砲丸投げをやらないかと陸上部の同級生にスカウトされるくらいでした。

私のようなタイプは例外中の例外だと思うので、「そんなこともあるものだ」と思っていただければと思います。私の場合、ポイントは「小学生の頃」と「高校生の時のバイト」にあります。

ポイント1:小学生の頃の外遊び

学校が終わったら、夕焼けチャイムが鳴るまで外で動き回って遊んでいる子でした。

走る、高いところに上る、飛び降りる、うんていにぶら下がって移動する、うんていの上を歩く。ドッヂボール、いろいろな鬼ごっこ、縄跳び。とにかくずっと体を動かしている子でした。

子供の成長期において運動神経などの神経系統が出来上がるのは8歳くらいだったでしょうか。それくらいまでにどれだけいろいろな動きをしていたかが、その先一生の神経系の運動能力を決めると言っても過言ではないのだそうです。

小学生以前も、私は体を動かして遊ぶ子でした。足は速いほうでしたし、昔から貧乏な家庭で育っているので自転車を買ってもらえず、自転車で遊びまわる友達に走ってついていくということもしていました(ちょいと悲しい過去ですが、その後ゴミ捨て場にあった自転車を勝手に乗り回すというおまけつき)。

少なくとも中学生になるまでは、とにかく体を動かしている子でした。

一番大事な時期に、一番必要なことができていた。これがかなり大きいのではないかと思っています。

というのも、こんな私が非常に苦手なものについては、確かにこの時期にやっていなかったなと思うところがあるからです。

マット運動や鉄棒は苦手です。逆立ちも苦手ですが、これは考えがあってやらずにいたら、そのまま苦手になってしまったというところでしょうか。

ちなみに縄跳びは、保育園の時点ですでにボクサーのような両足飛びや駆け足飛びができていて、みんなの見本になるくらい得意でした。今でも少し得意です。

このように、子供の頃に体を動かしていたことで、非常に大事な身体能力が出来上がっていたということだと思います。

ポイント2:高校生の時のバイト

親が電気工事・エアコン工事の仕事をしており、その手伝いに駆り出されていたのがこの時期です。

夏の3か月ほど限定ですが、高校で2年間、卒業してから1年、合計3年間。エアコン工事と電気工事という肉体労働をしていました。

もともと太めの部類に入る私ですが、この時期だけは痩せていました(笑)。それくらいハードな仕事でした。

電線、工具、そして室外機。非常に重たいものを短時間で移動させたりします。

エレベータがある現場なら良いのですが、場所によっては階段のみというところもあり、しかも3階や6階まで上げ下ろししなければならない。

最低でも5kg、重いものだと30kgほどを、えっちらおっちら階段で何往復もする。それを繰り返しているうちに、おそらく足腰は非常に強固になったのだと思います。

腰道具もぶら下げていましたが、あれもそこそこ重かったですからね……

その後のこと

そんな訳で、中学・高校は絵が好きでスポーツをあえて避けていたのですが(小学生の時はスポーツ系のクラブに少しだけ入っていました)、体育の授業では周りが驚くくらい動けていました。

その状態で筋トレを始め、その後ウエイトリフティングへ。そして今はボクシングです。

もちろん基本は知らないのでしっかり習いますが、ウエイトリフティングはマスターズではあるものの、始めて2年ほどで全国大会2回優勝、日本記録樹立というところまでいきました。

まあでも、練習時間も人より多いんですよ。1日に朝と夜の2回、スプリットで練習していましたから。

ボクシングについても、最初からフィジカルの強さは持っていたので、アマチュア選手のスパーリングパートナーをやっていた時期もあります。もちろん、その時はがっつり練習もしていましたけどね。

たまにそういう人がいますが、おそらくはこういうことなのではないかと思います。

あと、自分で言うのも恥ずかしいのですが、頭がそこそこ良い人も、割と上手くできてしまうことがあるようですね。

今の子供たちのこと

そう考えると、今の若い人たちは時代背景的にも私のような子供時代を過ごせないでしょうから、スポーツの上達には苦労するのではないかと思います。

とある教師職の方から聞いた話ですが、同じ子供でも、小さい時にスポーツクラブで運動していた子と、まったく運動をしてこなかった子とでは、身体能力が極端に違うのだそうです。

問題は運動をしてこなかった子のほうで、外遊びすらしてこなかったために、体育の授業でのちょっとした動きもできない。というより、やり方が分からないのだと言います。

子供のうちからそれだけの差があると、将来その子がスポーツをしたくなった時にいろいろな問題が起こりそうです。今のフィットネスでも、そういうことが起こりつつあるのだろうなと、私の視点ではありますがそう思います。

私の中ではごくごく当たり前のことが、いかにも重要な筋トレのような形で説明されているのを見かけたことがあります。しかもそれがいっぱしのトレーナーの発言だったので、驚いたのを覚えています。

学力の差だけではなく、身体能力にも子供ごとに大きすぎる差がある。そういうことなのでしょう。

これは今後、我々スポーツやトレーニングの指導者にとっての課題にもなっていくのだと思います。

シリーズのおまけのような話でしたが、「練習していないのに上手な人」の正体は、結局のところどこかで積み上げてきたものです。そう考えれば、今から積み上げていくことにも意味があるはずです。

2025.3.15 著


「強くなるには」シリーズ

→第1回:ウエイトリフティングが強くなるには →第2回:ウエイトリフティングが強くなるための練習内容

関連

→フィジカルトレーニング →トレーナー情報はこちらから

→ウエイトリフティング:エッセイページへ


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