ウエイトリフティングが強くなるための練習内容 2025.3.15記
「強くなるには」全3回・第2回 前回:ウエイトリフティングが強くなるには
前回からの続きです。
練習をたくさんするために、何をすれば良いのか。
この内容を求めて検索してくる人もいるかと思います。
前回は、練習をたくさんするためにはまず時間を確保しよう、というお話をしました。ここでは、時間を確保できたことを前提に進めていきます。
次に必要なのは「練習を続けるためのスタミナ」
案外この点を重要視していない指導者も多いのですが、練習をたくさんするためには「スタミナ」が必要です。
練習をするにあたり、まず最初に行うことが「練習をするためのスタミナ」をつけることです。
ではこれをどうやってつけるのかと言えば、不思議なことに「練習」でつけていきます。つまり、最初はスタミナをつけるための練習から行う訳です。
ちなみに「スタミナ」もフィジカルの要素に入ります。ですので当ジムでは、ウエイトリフティングを始めたい人もフィジカルコースからとなっています。
スタミナをつける練習とは
その人が練習のために確保できた時間にもよりますが、必ずやるのは中重量・多回数の内容です。
ウエイトリフターらしくない内容だと思われるかも知れません。しかし、皆さんが耳にするウエイトリフティングのセット数や重量設定、回数というのは、ある程度フィジカルが出来上がった人のための内容なのです。
フィジカルが足りない人が同じ内容をやったところで、不足している部分が多すぎます。
スタミナをつけるには、中重量くらいの負荷を長時間継続して行うのが一番です。
回数をたくさん継続するということは、そのぶん継続時間も長くなるということ。つまり回数をたくさんやるということは、たくさんの時間を練習に使うということです。だから時間を確保してください、とお伝えしている訳です。
なんとなく分かってきましたか?(謎)
スタミナをつけながら、基本を身につける
しかし、ここでスタミナをつけるだけの内容だと少々もったいない。この段階だからこそ、やっておきたいこともあります。
要は「スタミナをつけながら基本も身につけましょう」ということです。
最初の練習では、ひたすらフォームの習得も行っていきます。このタイミングで、自分のスタイルに、自分の体に、そして目的に合ったフォームを作り上げていきます。
最初が肝心です。下手に変なものが出来上がってしまってからフォームを修正するのは、大変な作業になります。
慣れない動きはスタミナを持っていきます。それでも、慣れるまで何度も繰り返します。ちゃんとできるまで、何回も続けて行っていきます。
1回目の動きからフィードバックして2回目に生かす。2回目でできていないところをフィードバックして3回目へ——間が空いてしまうと、動いたときの感覚が抜けて、忘れるか薄れてしまいます。
だから、続けて行うことになります。そうしているうちに、あっという間に10回や20回は連続してやってしまうものです。
「感覚」は、そのままでは記憶できない
フォーム習得において、ほとんどの人は自分の内側に感じる「感覚」を頼りに動きを修正したり確認したりします。
しかし「感覚」というものを長時間記憶するのは、なかなか難しいものです。
指導者から「今のできてたよ! 良かったよ!」と言われたときのフォームで感じた感覚。その言葉を言われる直前の感覚を、最初は感じ取ることすらできないと思います。
なぜだと思いますか。
人間は、意識したものしか記憶できないようにできているからです。
外からの指示通りに動いてバーベルが上がったとします。しかし、その指示のほうに意識を強く持っていかれてしまうと、自分の内なる感覚にまで意識が回りません。せっかく上手くできても、記憶するまでには至らないのです。
とはいえ、指示に意識を向けられていれば、どう動けばいいかは少しずつでも記憶していけます。最初からきれいにすべて記憶できる訳ではないので、できるところからです。
ウエイトリフティングの動きは、意識すべきところがたくさんあります。
記憶さえできてしまえば、そんなに強く意識しなくてもできるようになります。ですから、記憶できたら次のポイントに意識を強く持っていく。その部分が記憶できたら、また次へ。
そう繰り返していくうちに、ようやく自分の感覚を意識できるようになるのかも知れません。あるいは、そうしている中でふと感覚に意識が向くのかも知れません。
なぜ回数や時間が必要なのか。記憶をするために絶対に必要なものだからです。繰り返さなければ覚えられないからです。
まとめ:「ウエイトリフティング以前」の積み重ね
練習内容としては、大きく2つです。
- スタミナをつけていく
- フォームを作り上げるために記憶する
ここで語ってきたのは、フォームを作り上げていく記憶作業を利用して、スタミナもつけていこうということになります。
ただし、スタミナをつけるのは、記憶が及第点くらいまで行けてからが本番です。というより、基本を身につけた後の練習は、それなりの割合が「練習のためのスタミナをつける作業」になっているのだと思います。
そうしているうちに基本がほぼ満点に近いところまで身につき、やっと本格的なウエイトリフティングの練習になっていくのでしょう。
「強くなるためには」という内容からほど遠いと思われるかも知れません。
しかし、強くなれない人たちは、この「ウエイトリフティング以前」の積み重ねに甘さがある——それも理由の一つになりうるのだと思います。
案外、この部分をやらずにウエイトリフティングをやっている人は多いです。逆に、本当に強い人はこの積み重ねが非常に強固です。
基礎が甘いのに、その上に建物を建てても不安定でしょう。そう考えると納得できるのではないかと思います。
最後に、「練習してないのに上手な人」の話をしたいと思います。
2025.3.15 著
→続き:ウエイトリフティングの練習をしてないのに上手な人とは
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